示現寺 熱塩観音(あつしおかんのん) 会津三十三観音 第5番札所

神社・仏閣
熱塩観音(あつしおかんのん) 会津三十三観音 第5番札所

曹洞宗 護法山 示現寺(じげんじ)

山門 社号表

示現寺 山門 社号表

右が社号表で 「護法山 示現寺」 とあります。
左には、「源翁禅師 示寂之地」となっています。
示現寺(じげんじ)は、福島県喜多方市熱塩加納町(耶麻郡熱塩村熱塩、熱塩加納村熱塩)にある曹洞宗の寺院。山号は護法山。本尊は虚空蔵菩薩。Wikipedia

源翁和尚 源翁心昭(げんのう しんしょう)

源翁禅師は、源翁和尚の事で、大きな金槌の事を「玄能・玄翁」(げんのう)と呼んだりしますが、その由来となった源翁心昭(げんのう しんしょう)です。
高僧の死亡を遷化(せんげ)と言いますが、曹洞宗では、「示寂」(じじゃく)という言葉を用います。
なので、「源翁禅師 示寂之地」とは、源翁禅師が亡くなった場所という事になります。
遷化、示寂(Wikipedia)

九尾の狐(妖狐) 玉藻前(たまものまえ)、殺生石の話

平安時代末期の話。
鳥羽上皇の寵姫であった玉藻前(たまものまえ)は、陰陽師・安倍泰成(あべ の やすちか)にが妖狐であることを見破られ、三浦介義明、千葉介常胤、上総介広常を将軍とする軍勢に討ち取られた。
討ち取られた後に殺生石となり、その後も人々を苦しめたのだが、1385年(室町幕府時代)、会津の示現寺を開いた玄翁和尚が殺生石を破壊し、破壊された殺生石は各地へと飛散したといわれ、この事から、
大きな金槌の事をげんのうと呼ばれるようになった。

玉藻前(Wikipedia)
源翁心昭(Wikipedia)
殺生石稲荷神社 会津美里町(伊佐須美神社 末社)

示現寺 山門

山門です。
石碑には「湯殿山」とあります。山号ではありません。

示現寺総門 案内

案内板から書き起こし。

示現寺総門

この総門は南北朝時代の永和元年(1375)曹洞宗(そうとうしゅう)の源翁禅師開山になる名刹本山示現寺の玄関に当たり、華麗な彫刻はないが安土桃山時代の作風を汲む豪壮清楚な四脚門は江戸時代寛保年間(1741)以後の建立である。
中央上を仰げば頭貫(かしらぬき)上に「第一義」の扁額があり、曹洞宗の根本、只ひたすらに座禅をなし悟りの道を得る「只管打座」(しかんたざ)を意味する。
構造を見ると一門一戸、梁間二間、瓦葺の円柱四脚門である。中央左右に立つ二本の本柱は扇筋の柱といい、前後に二本ずつの控柱を備え、自然石の礎石の上に礎盤をあしらう柱が立つ、重厚な頭貫、組物、龍を彫る蟇股(かえるまた)二段垂木の美しさ、側面から見ると切妻の破風板は二重破風を表現し、中央に拝懸魚、その下に左右の降懸魚、内部に大虹梁(だいこうりょう)、大瓶束(たいへいづか)などが見え、総欅(けやき)製のこの山門は会津における近世建築の代表的なものとなっている。
– 喜多方市教育委員会

示現寺 山門

山門から奥に見えるのは鐘楼です。

示現寺 山門

山門を潜り、反対側から見たところ。
眼下は熱塩温泉街。
温泉地はどこもそうですが、廃業したところが多い感じ。
この山門向かいの奥に、今回、宿をとった「ふじや」があります。

示現寺 鐘楼

示現寺 鐘楼

鐘楼に案内板が見当たらなかったのですが、会津には珍しい二階建て鐘楼。
奥の示現寺も大きい。

示現寺 鐘楼

鐘楼に扁額もありますが、読めません。

示現寺 鐘

階段を登ると鐘が見えます。
大きな羽音がやたらと「ブーンブーン」聞こえるので、写真を撮って退散。
今思えば、また違った角度からの写真が撮れたのに、弱虫でした。

熱塩観音堂(あつしおかんのん どう)

熱塩観音(あつしおかんのん) 会津三十三観音 第5番札所

山門を潜って、左手、奥に熱塩観音堂があります。
大きな赤い屋根。
一緒に写っている御堂は不明。

熱塩観音(あつしおかんのん) 会津三十三観音 第5番札所案内

案内板から書き起こし。

会津の三十三観音めぐり

この観音堂は、記録によれば天明8年(1788)の建立とされ、会津三十三観音五番札所として知られている。堂の規模は三間四方で北面し、屋根は宝形造、禅宗様の様式を取り入れた江戸時代後期の建築物として貴重である。堂前面の向拝柱には青海波文や龍、鷲、牡丹など動植物の浮彫彫刻が施され、全体的に華やかな印象をうける。

宝形造(ほうぎょうづくり)Wikipedia
禅宗様(ぜんしゅうよう)Wikipedia

熱塩観音(あつしおかんのん) 会津三十三観音 第5番札所 案内板

案内板はもう一つあって、こちらは喜多方教育委員会のもの。
書き起こし。

示現寺観音堂

この観音堂は、記録によれば天明八年(1788)の建立とされ、会津三十三観音 第5番札所として知られている。
堂の規模は三間四方で北面し、屋根は宝形造、茅葺き金属板覆い、堂の周囲は縁を廻し、正面に「観世音」の扁額を掲げる。堂前面には向拝が設けられる。
本尊は木造千手観音立像で、仏像体内に観音小像を収めるという。
向拝の向拝柱は角柱で、正面は波濤、青海波紋、龍などが薄浮彫りで施され、側面は刻線で区画し、区画内は幾何学文や蓮の花などが線刻される。また、左右の手挟み(たばさみ)は牡丹と菊、正面蟇股は龍、虹梁の左右蟇股は柏に鷲、梅に鶯の彫刻で飾られる。頭貫、繋(つなぎ)虹梁先端には象、獅子の懸鼻(かけはな)が懸けられ、全体的に華やかな印象を受ける。
この観音堂は堂柱の粽(ちまき)や台輪など、禅宗様(唐様)建築の様式を取り入れた江戸時代後期の建築物として貴重である。

– 喜多方教育委員会

熱塩観音(あつしおかんのん) 会津三十三観音 第5番札所

堂は三間四方で北面。

場所、地図

名称:曹洞宗護法山示現寺
所在地:〒966-0101 福島県喜多方市熱塩加納町熱塩甲795

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