奥会津博物館 移築古民家も見応えあり 南会津町観光

旧跡・文化財
奥会津博物館

奥会津博物館は三ヶ所あります。「奥会津博物館」「奥会津博物館 南郷館」「奥会津博物館 伊南館」です。それぞれ離れているので、間違えて向かうと大変。
今回の「奥会津博物館」は会津田島の「祇園会館」から向かったのですが、思ったより遠く、かなり山の中にありました。

奥会津博物館への道

奥会津博物館への案内。
道はあってます。
山の中。

気持ちは少し凹んできます。
(こんな山の中では期待するほどのものはないんじゃないだろうか)
(福島県民の日でこの日は入場無料だから、こんな日に見ておくのがちょうどいい施設じゃない)
と、半ば諦め、自分を慰め。

奥会津博物館 入り口

ところが、高さこそないものの、立派な建物が山間部にありました。

奥会津博物館 入り口

奥会津博物館 案内板

休館日

年末年始:12月28日〜1月4日
12月〜3月の毎週木曜日

開館時間

9:00〜16:00

入館料

小・中学生高校生大人
個人100円200円300円
団体50円150円250円

行った日は「福島県民の日」で入館料無料。
ちなみに福島県民に限るようなのですが、特に確認はされませんでした。
(「どなた様も」と案内はあります。)

奥会津博物館 入り口

入館無料の案内があります。
建物を見るに期待できます(さっきまでとは大違い)。

奥会津博物館 企画展案内

企画展として写真展「懐かしき東北・美しき東北」が行われていました。

奥会津博物館 受付

奥の明るい所が入り口。
その手前(右側)が受付。
声をかけると中から人が出てきて(暖簾のところ)から、挨拶をしてくれました。
販売図書もあって、帰りにはさかなさん(つれあい)が購入してました。

写真の奥は移築された古民家エリアへ通じていて、展示室は写真を撮っている後ろ側になります。

奥会津博物館 展示室

入り口を入った最初のホール。
左が企画展、写真展「懐かしき東北・美しき東北」のコーナー。
写真奥の左側から入って、右から出てきます。

企画展 写真展「懐かしき東北・美しき東北」

奥会津博物館 企画展 写真展「懐かしき東北・美しき東北」

南会津町、奥会津博物館:展示写真家 千葉 禎介(ちばていすけ)
千葉禎介(Wikipedia)

写真展「懐かしき東北・美しき東北」

常設展示

奥会津博物館 展示室

奥会津、広い。
って言うか、この地図だと、大戸町(芦ノ牧温泉)エリアも奥会津です。

奥会津とは江戸時代、南山御蔵入領(江戸直轄領)として支配された地域の内、福島県側の地域です。
面積は、約3,300k㎡で福島県の約4割を占める広大な地域です。

パネル案内より

知りませんでした。

奥会津博物館 展示室

展示室は、山・川・道コーナーに分かれて展示されています。
奥会津の人々が使用した生活用具を中心に約3,000点展示されています。

奥会津博物館 展示室 山コーナー

木から木工品を加工、製造する職人を木地師と呼びましたが、その木地師の仕事や生活が案内されています。
木地師の木取り(丸太から角材を切り取ること)から写真展示と合わせて丁寧に案内されています。
写真だけでも貴重と思います。

奥会津博物館 展示室 山コーナー

当たり前ですけど、昔は人力で轆轤(ろくろ)を回していました。
木地師の話はこちらもどうぞ→漆器工房見学(めぐるの職人工房へ)

奥会津博物館 展示室 山コーナー

太鼓って、クリ抜きって思ってなかった。
桶みたいに貼り合わせだと思っていたのは恥ずかしい。

奥会津博物館 展示室 山コーナー

繰り返して申し訳ないけど、昔は人力なんです。
木を切るって、それだけで文明。凄い。

奥会津博物館 展示室 山コーナー

文明って凄いですが、それでも人智を超えていたのが自然。
山上様を祀る気持ちもよく伝わります。

奥会津博物館 展示室 山コーナー

展示点数が半端ないです。
じっくりみていたらキリがない。
それでいて知らなかった事も多く。

奥会津博物館 展示室 山コーナー

このスキーっていつ頃からあったのか。
雪がついて大変なような気もしますが、何を塗っていたのでしょう。
今じゃ、スキーワックスとか気軽に塗れますが、昔はそんなものは無かった筈。

奥会津博物館 展示室 川コーナー

展示物やパネルを見ていたら、展示場の間取りが頭に入りません。
かなり広いとは思います。
川コーナーとありますが、手前は「酒樽」。

奥会津博物館 展示室 川コーナー

奥会津の人々にとって川魚は、鳥や獣と共に大切な食料でした。ヘイ(鮠)・カジカ・イワナ・ヤマメ・フナ・アユなど種類も豊富でした。
奥会津に源流を発する阿賀川は石狩川・信濃川に次いで我が国第三位の水量を誇る豊かな川です。秋になると日本海の河口より沢山のマスが阿賀川上流の大川にも登ってきたのですが阿賀川に発電用ダムが建設されてからはマスはのぼれなくなりました。今では大ヤスやドウ(大ウツボ)から当時をしのぶしかありません。
川猟はヘイ等を釣る餌釣り(えづり)・毛針釣り、鮎は友釣りである。ガラス箱を水中眼鏡としてヤスでヘイ・カジカを突いて捕ることも盛んであった。夏の夜、松明やカンテラで明かりをとり、夜ツキもよく行われた。捕った魚は焼いて保存食とした。

パネルより「魚労」

阿賀川は日本第三位の水量なんだ。
今更ですが、マスは日本海から何十キロ(100キロ超?)も川を登ってきたんですね、功罪あります。

奥会津博物館 展示室 染め物

染め物の展示。
移築した古民家の中には「染屋」もあって、要予約で藍染体験もできます。

奥会津博物館 展示室

水力を利用した脱穀機。
力はありそう。
農具や機織り機やらの展示もありました。

奥会津博物館 展示室 細井家の展示

奥会津の豪商、細井家の展示。

奥会津博物館 展示室

昔の家具。
細井家のものかどうかはわかりませんが、立派なものだと思います。

奥会津博物館 展示室 細井家の展示

何代も続く豪商であればこそ。

奥会津博物館 展示室

道コーナー
運搬やら流通やらの展示です。先の細井家も流通で財をなしています。

奥会津博物館 展示室 道コーナー
奥会津博物館 展示室 歌舞伎舞台

歌舞伎舞台模型屋資料の展示

調査の結果、南山御蔵入領内の140ヶ村170ヶ所において歌舞伎等の興行が行われていたことが確認された。南山御蔵入領の村の数は271であるので、実に52%の村で確認されたことになる。今後の調査によりこの数はさらに増える可能性がある。
農村舞台が同一地域に170ヶ所という数は、徳島、兵庫、長野、岐阜、愛知*に次いで6番目の多さになり舞台群としては日本最北になる。このことから南山御蔵入領は全国有数の農村歌舞伎の隆盛の地であることが確認された。
*『農村舞台の総合的研究』農村舞台分類一覧表(昭和45年8月1日現在)の数値の比較による。

展示パネルより「南山御蔵入領内の農村舞台について」

江戸幕府は度々歌舞伎禁止令を布達してきたことが背景にあって、その中での歌舞伎興行という話です。

移築 復元 古民家

奥会津博物館 移築 復元 古民家

後から、写真を見ても、どれがどれだかよくわかりません。
これは、たぶん「今泉の馬宿」

奥会津博物館 移築 復元 古民家

旧 猪俣家住宅

奥会津博物館 移築 復元 古民家

染屋(旧 杉原家住宅)。外に染め物をさす物干しが立ってます。

奥会津博物館 移築 復元 古民家

染め物用の場所、瓶が埋まっているようです。

奥会津博物館 移築 復元 古民家

広いです。
中では囲炉裏に火が入っていて、煙が出ています。
屋根とか燻しているのかもしれません。

奥会津博物館 移築 復元 古民家

旧 山王茶屋(旧 渡部家住宅)
元は宿泊施設でしたが、宿駅制度の廃止に伴い、その後は茶屋として利用されました。
宿駅制度は、宿場町毎にリレーで荷物を運ぶもので、輸送は次の宿駅までに限られていて、旅行者の宿泊施設も整えられていました。
徳川家康が東海道に宿駅伝馬制度をしいています。「駅伝」の名の由来とされています。

場所、地図

会津田島祇園会館から約20分。
国道121号線から車で数分。

名称:奥会津博物館
所在地:〒967-0014 福島県南会津郡南会津町糸沢西沢山3692−20

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