【年金】会社員の年金をまとめ。噛んで含んで分かり易く

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会社員(サラリーマン)の年金について、要点をまとめました。
誕生日でまた歳をとり、だんだん老後の事も気になり出した昨今。

年金についての記事は多くありますが、「専門用語が多用されてわかりにくい」「制度が複雑で分かりにくい」「何が自分に当てはまるのかわからない」……という点を踏まえ、会社員向けに話を絞り、基本的な要点だけをまとめました。同じように思っている人に向けた内容になります。このページで基本がわかってもらえれば幸いです。
会社員に向けた内容なので、公務員・私立学校教職員、自営業者、専業主婦の方は参考程度にご覧ください。
また年齢ですが、男性は1961(昭和34)年4月2日生まれ以降の方、女性は1966(昭和41)年4月2日生まれ以降の方を対象とします。要は受給開始年齢がそれぞれ65歳の方になります。これより前に生まれた方は受給開始年齢が異なりますのでご注意ください。

最初に結論を一つ

年金について調べる時、どういう年金の受け取り方が有利か?。と、つい考えがちですが、それは、何歳までどんな健康状態で生きるのかによって変わります。いつ死ぬかがわからないのであれば正解は導き出せません。
65歳や66歳で死ぬのであれば、60歳から年金を受け取るのがベストですが、80歳、90歳と生きるのであれば、それぞれに受給開始の最適時期が異なります。
健康状態も重要です。出歩けない状態では旅行のことは考えなくても良いですし、美味しい料理も楽しめない状態になっている可能性もあります。
年金の心配はありますが、60歳を間近にした状態では選択肢はあっても出来ることは限られますので、それよりは、健康と仕事の心配の方を優先される方が現実的と思います。

2つの年金

会社員は以下の2つの年金の保険料を納めていますので、生きていればこの2つから年金が受け取れるようになります。

  • 国民年金
  • 厚生年金

それぞれに制度が異なりますので、要点をあげていきます。
給与からは厚生年金しか払われていませんが、国民年金は厚生年金から支払われています。詳しくは以下の国民年金に記述します
厚生年金の資料は国民年金を含むことが多い(「基礎年金を含む」とかの記述は、国民年金を指します)ので注意が必要です。

国民年金

国民年金は毎年見直しされる定額納付になります。
2020年度の保険料は16,610円(月額)です。
国民年金の保険料は厚生年金から支払われますので、厚生年金に国民年金が含まれると考えれば理解しやすいです。
厚生年金保険料(健康保険料も)については、会社が50%負担する仕組みになっています。
国民年金は60歳まで支払うことになっています。480カ月(40年間)で満額になり納付は終了します。
受給開始年齢は65歳です。
国民年金の満額は(2020年)781,692円(年額)となります。

任意加入制度 – 60歳で納付が480ヶ月にならない方

国民年金の納付が満額の480ヶ月にならない方で、任意で国民年金に加入(納付月数を追加)することができる制度です。65歳まで加入することができます。
厚生年金に加入している方は加入出来ません。すなわち、60歳以降も会社勤めで厚生年金に加入されている間は利用出来ません。
最大480ヶ月で、480ヶ月になると終了です。
国民年金の受給を開始していないなどの条件があります。

厚生年金

厚生年金は収入に応じた納付になります。
会社で働き続けている場合、70歳まで支払うことになっています。
受給開始年齢は65歳です。
65歳から厚生年金を受けるようになっても働き続けている場合は納付は続きます。
納付した分は後に増額(再計算)されます。
注意点としては、厚生年金の受給を開始した後、働いていてその収入が多い場合、厚生年金の一部、もしくは全額が停止されることがあります。(収入が多い方向けになるので詳細は割愛しますが、該当するような場合は受給を開始されずに、繰り下げ受給を検討されるのも良いでしょう)

加給年金

厚生年金保険を20年以上納めていて、65歳に到達した時点で条件を満たしている配偶者や子供がいれば加算して支給される年金です。条件を満たさなくなる(配偶者や子供の年齢が条件に達する等)と支給が終わります。

  • 配偶者、65歳未満。
  • 子供、18歳到達年度の末日まで。もしくは、1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子。
  • 配偶者または子どもの年収が850万円未満(所得650万円未満)であること。
  • 生計を維持している(=生計が同じである)配偶者や子ども。

厚生年金の受給開始と共に加給年金は手続きを行わなければ支給されません。
話が前後しますが、厚生年金を繰り下げ(遅らせ)ている間は、加給年金も受け取れません。*1

対象者加給年金額
配偶者224,900円
1人目・2人目の子224,900円
(1人につき)
3人目以降の子75,000円
(1人につき)

さらに加給年金には、配偶者(受給権者)の生年月日に応じて「特別加算」があります。(配偶者の生年月日が1943年4月2日より前の場合、生年月日に応じた額になります。33,200円〜132,600円)

配偶者の生年月日特別加算額
1943年4月2日以後165,800円

障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます。
加給年金は、配偶者のみの場合ですと、
224,900円+165,800円で、390,500円(年額):月額、約32,541円になります。

繰り上げ受給(受給年齢を早める)

2022年4月から法改正がされます。
記述は、「法改正前->法改正後」になります。
月あたりの減額率は0.5%->0.4%になります。
60歳から受給を開始できます。
60歳からの受給の場合、本来の受給額から30%減額->24%減額になります。
ex.
2020年の国民年金の満額は781,692円(年額)なので、24%だと減額は187,606円となり受給金額は594,086円(年額)になります。厚生年金の額が大きい人はともかく、厚生年金の額が少ないと生活は大変かもしれません。アルバイトをしながら年金を受け取ることもできますが、60歳過ぎてのアルバイトもキツそうです。
繰り上げ受給の場合、国民年金と厚生年金はセットになり、どちらかだけを繰り上げるということはできません。
受給開始後は取り消したり変更したりはできません。
ex.
仕事が見つからず60歳から年金の受給を開始しした後、仕事が見つかったからといって受給を取り消したり、停止する事はできません。

繰り下げ受給(受給年齢を遅らせる)

こちらも2022年4月から法改正がされます。
記述は、「法改正前->法改正後」になります。
昭和17年4月2日以降生まれの方が対象です

増額率は1ヶ月当たり0.7%(法改正でも変わりません)
繰り下げは70歳(42%)->75歳(84%増額、最大)までになります。
繰り下げの請求ができるのは66歳以降(月単位)になりますので、繰り下げを行うためには最低で66歳まで請求を待つ必要があります。
重要
あまり話題になりませんが、繰り下げ受給は66歳以降の手続きになりますので、最低でも65歳から66歳までの生活費がない事には繰り下げが行えません。66歳以降は1ヶ月単位で(繰り下げ)受給開始請求はできます。

65歳に達した日から66歳の誕生日の前日までの間に、障害厚生年金、遺族厚生年金などの年金を受ける権利を有したことがあるときは、繰り下げの請求はできません。
繰り下げの場合、国民年金と厚生年金は別々にする事ができます。
ex.
厚生年金を65歳から受給開始、国民年金を66歳以降(増額を受けて)から受給を始めることができます

厚生年金の加給年金を受ける場合の補足

加給年金(+特別加算)は65歳で申請ができます。国民年金と厚生年金は繰り下げの場合は別々に受給を開始することができますので、厚生年金を先に受給開始して加給年金(+特別加算)を受け取り、国民年金のみ繰り下げることができます。
ex.
つれあいが3歳下で働いて収入がある場合、
自分が65歳になったら、厚生年金と加給年金(+特別加算)を受給。+つれあいの収入で生活。
つれあいが65歳になると加給年金(+特別加算)がなくなるので、(自分)68歳から国民年金と厚生年金を受給にする(国民年金は本来の受給額に対して、約25%up)
みたいにすることができます。

この場合、配偶者が65歳になるまでの3年間、加給年金が受け取れます。逆にこの3年間、68歳まで厚生年金を繰り下げてしまうと加給年金(+特別加算)を受給することはできなくなってしまいます。
ただし、繰り下げによる増額は、生きて受給する限り続きますので、目先の加給年金(+特別加算)を得るか、繰り下げによる増額を選ぶかの選択になります。

65歳からの話、65歳までの話

65歳で年金は100%の給付になります。
介護保険料は3割負担だったのが65歳以降は2割負担になります。
健康保険料は会社に勤めている間は会社との折半で各健康保険に加入(納付)でしたが、会社勤めを辞めた後は国民健康保険に加入となり全額自己負担になります。
失業保険(雇用保険)は65歳未満と65歳以降で変わります。

税金や保険料の話

年金暮らしであっても、年金の額によっては、所得税、住民税、国民健康保険料、介護保険料が発生します。国民年金の納付は60歳までです。
税金では年金額が低いと非課税になることもありますが、高額になればそれなりの金額になっていきます。
繰り下げ受給によって増額されるのは年金総額なので、税金や保険料が新たに発生したり、増えたりします。年金の多少で言えば、増額率は0.7%で一律なので年金額の多い人ほど額面では増える金額が大きくなり、一般には損をするようなことはありません。

国民健康保険料、介護保険料

国民健康保険料や介護保険料は負担が大きいと言えます。
金額は、自治体によって変動します。
ex.
福島県会津若松市、65歳、年金2,500,000円、固定資産税80,000円の場合、
ざっくりと、年額で約150,000円になります。
同じ年金額(2,500,000円)でも、夫婦で一人が1,500,000円、もう一人が1,000,000円で計算すると、約90,000円(年額)です。所得に応じた保険料率が低くなるためです。

失業保険(雇用保険)

64歳以下で退職すると失業保険(雇用保険)が受け取れます。(65歳の誕生日の前々日まで)
ただし、失業保険(雇用保険)は再就職に向けた求職活動を行なっていることが条件になりますので「もうリタイアする」という人には給付されません。
再就職の為の給付なので、失業保険を受け取っている間(給付制限期間等を含む)は年金を受け取れません(停止されます)。
受給には求職活動中である他にも受給条件を満たしている必要があります。
給付額はそれまでの収入に応じて計算されます。

雇用保険に加入していた期間給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日
失業保険の給付日数

定年の場合は、自己都合退職と同じ所定給付日数となります。
ただし、自己都合退職の場合、3ヶ月の給付制限期間(失業手当が支給されない期間。令和2年10月1日の退職以降は2ヶ月)がありますが、定年退職の場合は7日間の待機期間の後に受給することができます。
正社員は就業規則で定年退職が定められていますので、退職日によって65歳未満であったり65歳以降となったりします。
パートや嘱託職員だと期間契約の満了になるので給付制限はつきません。ただし、契約の合計年数が3年以上で、契約更新が可能な状態だったにもかかわらず、自らの希望で更新せずに退職した場合は、給付制限がされることがあります。
給付日額には上限があります(2021年5月時点)。

年齢賃金日額の上限額(円)日額給付額上限(円)
60〜64歳15,9707,186

失業保険(雇用保険)は退職前6ヶ月の賃金を元に給付率が50~80%になりますので、加給年金も加えた年金の方が多く受け取れる方もいらっしゃるかもしれません。日額の上限額からすると年金が21万円(月額)以上ある場合は失業保険(雇用保険)を受けないで年金を受け取る方が良くなります。

高年齢求職者給付金

64歳以下では失業保険(雇用保険)がありますが、65歳以降になると、高年齢求職者給付金が受け取れます。
高年齢求職者給付金は年金と一緒に受け取れます。
受給には条件がありますので条件を満たしている必要があります。給付額はそれまでの収入に応じて計算されます。

雇用保険に加入していた期間給付日数
1年未満30日
1年以上50日
高年齢求職者給付金の給付日数

最後に

用語は法律に基づいてます。正しく厳密に使うのが望ましいのでしょうが、正式な用語は役所や年金関係を生業としている人に任せたいと思います。
専門職の仕事では、「言っていることがよくわかりません、普通の言葉で話せませんか」なんて言う人がいますが、これは代替になる「普通の言葉」が存在する前提です。
年金の場合も同じで、普通の人(このページが対象とした会社員)が馴染んだ言葉を優先的に使いましたが、代替する用語(馴染みのある言葉)が無い場合もあります。そこはシャッターを降ろさず飲み込むつもりで用語を読むしかありません。
対象を絞り、基本的な事柄に絞り込むことで分かり易くなっているはずなので、よく理解できたという方は、このページをお勧めください。

追加の補足説明

  • 国民年金が年金として支払われる時の名称は老齢基礎年金になります。
  • 厚生年金が年金として支払われる時の名称は老齢厚生年金になります。
  • 老齢厚生年金を受給しながら、働いて収入を得ている事で老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になったりするのは、在職老齢年金制度によるものです。

自分で考えた年金プランとか

総務省統計局の資料「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」には、高齢夫婦無職世帯の実収入が237,659円,可処分所得は206,678円で消費支出は239,947円という数字が出ています。
実際、人の老後はそれぞれで、賃借か持ち家かで出費も大きく異なりますし、都市部と地方では掛かる生活費の内訳も異なっているはずです。もっと細かな条件だしが無いとこの平均の数字だけで老後の生活を語るのは無理があると言えます。
以下では、自分の老後について作戦を練ってみました。

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