会津の馬刺し。ニンニク辛味噌(辛子味噌)を醤油で溶いて

馬刺し(さくら刺し)郷土料理
馬刺し(さくら刺し)
このブログの食べ歩きマップ:会津若松近郊編会津広域編

会津に暮らしていると、馬刺し(さくらの刺身)はスーパーで普通に売ってますし、焼肉屋へ行くと、馬肉の各部位が頼めます。町中を歩くと「馬刺し」の幟(のぼり)をよく見ます。
(見ているような気がします、「馬刺し」の字があっても珍しくは感じません)
そんな暮らしなので、なんとなく全国でも同じように食べられているのかな、なんて思ってしまいます。実際はどうなんでしょう、わかりません。
調べると、馬刺し(馬肉)大好き県は、熊本、長野、福島(会津)といったところ。
長野は消費量が多いようです。

馬肉の生産量。熊本県 1位、福島県 2位

全国で見ると、熊本が一番の馬肉生産になっています。昨今の資料が見つかりませんが、H16(2004)年の資料によれば、
1.熊本県 3,148t
2.福島県 1,009t
3.福岡県 574t
4.青森県 503t
5.岐阜県 501t
と熊本県が突出しています。
令和2年の資料では、地域別の生産量は載っていないのですが、H15年の国内生産量が7,459tに対してH29年は3,916tと激減していますので、H16年の資料とは生産量でだいぶ変わっているかもしれません。
熊本県は、重種馬(体重、800キロ~1トン)が好まれ、福島県は、軽種馬(体重、400~500キログラム)が食べられています。

熊本。馬肉・馬刺し、食肉の歴史

熊本では、馬肉、馬刺しが会津とは馬の品種が異なります。
重種馬で大型の馬です。出荷時の重量が800キロ~1トンにもなる品種で、サシのおいしさが追求されて生産されています。
調べていたら、赤身の肉もよく食べられてはいるようですが、サシの入った馬刺しの写真もよく見ました。サシの入ったものは会津では見ません。
馬刺しのタレも、甘口醤油+おろしニンニク+生姜でいただきます。

熊本県

会津からは遠いです、そもそも九州へ行った事がありません。
あっちもこっちも行った事のないところばかりなんですけど。
熊本県で、馬肉、馬刺しがよく食べられるようになった事には諸説あるようですが、
よく言われるのが、熊本藩の初代藩主の加藤清正が朝鮮出兵した際、朝鮮半島で食料がなくなり、しかたなく軍馬を食べたところ、大変美味しかったので帰国後も馬刺しや馬肉を好んで食べたというのが始まりとされます。
明治以降、食肉が広がりましたが、多くの地域では食肉に対する忌避感があったのは当然で、後述の会津や長野も含め熊本も、馬肉を食べることの抵抗が少なかった地域が、馬肉・馬刺しの好きな地域になったのではないかと思います。

会津(福島県) 赤身の馬刺し好き

福島県の中でも主に会津地方だけで食べられているようです。
戊辰戦争 (1868年 – 1869年)以降によく馬肉が食べられるようになりました。
馬刺し(生肉)は、昭和30年(1955年)以降、興行で会津に訪れた力道山が、持参した辛味噌を付けて一緒に来た弟子たちと生で食べているのを見て広まったとされています。

【食物語・会津の馬肉(下)】 力道山が与えた『衝撃』 生食と辛子みそ
 会津の馬刺しを語る上で切っても切り離せないのが馬肉に添えられる辛子みそ。上品で淡泊な馬肉のアクセントとなる辛みと、ニンニクの風味が特徴だ。同じく馬肉で有名な熊本県などでは、しょうゆにおろしたニンニク、ショウガなどを加えて食べるのが一般的だが、会津は必ずと言っていいほど辛子みそがセット。そのルーツを求め、「会津馬刺し発...

品種は、軽種馬(体重は400~500キログラム)で、会津の馬刺しはサシの入らない赤身が多いです。
多いというか、スーパーなどでは赤身一択。
「辛味噌」は、味噌に唐辛子とおろしニンニクを入れたもので、醤油に溶いて食べるのが一般的です。
他の料理には使いませんので家で作ることも無いのですが、味噌+豆板醤で作った辛味噌レシピがよく紹介されています。
家で作らないのは、馬刺しを買うと、必要分、ニンニク辛味噌もついてくるからです

長野県(信州、高遠藩)から食文化の伝来

会津の食文化は長野県(信州、高遠藩)からの伝来が色濃く、高遠(藩)からきた人達の蕎麦の食べ方として高遠蕎麦(たかとお そば)の名が残る程です。そのほかに「天ぷら饅頭」「3日とろろ」も高遠からの伝来と考えられます。
長野県(伊那)も馬肉の食肉が好まれる地域であり、表向きは食肉は明治以降に広まったとされていますが、ずっと以前から馬肉の食肉があったのでないかと思います。
食文化の伝来について、詳しくは下記からご覧ください。

猪、牡丹(ボタン)。馬、桜(サクラ)。鹿、紅葉(モミジ)。

馬肉は別名、桜肉(さくら肉)と呼ばれます、由来は諸説ありますが、ありそうなのが、
肉を食べることが禁じられていた江戸時代、猪肉は「牡丹(ボタン)」、鹿肉は「紅葉(モミジ)」、馬肉が「桜(サクラ)」という隠語が使われたというものです。
食肉禁令で牛、馬、犬、猿、鶏という肉食を禁止されていたことから大っぴらに食肉の記録はありませんが、長野県(信州、高遠藩)から食文化の伝来があった会津と、馬肉の食肉との符合を考えると、実はかなり昔から馬肉の食肉がされていて、長野から会津へ伝わったのでは無いかと思うのです。

馬肉はなぜ生肉がOKなのか、食中毒とかの心配、妊婦さんは

牛肉のレバ刺しの提供は法律で禁止されています。(2012年以降)
2011年4月に起きた、焼肉店で提供されたユッケ(牛の生肉料理)による食中毒で181人が発症、5人が死亡(チェーン店だった為、4県の6店舗)という事件から、大規模な細菌検査が行われ、その結果、それまで安全と思われていた牛レバーの内部から、O157(腸管出血性大腸菌)が検出されました。このことから2012年7月、食品衛生法によって牛の生レバーを食べることが禁止されるようになりました。
同様に豚、鹿、イノシシ、鶏にも食中毒の危険があり、加熱することによって食中毒菌を死滅させることが重要になっています。
さて、馬です。
馬は、馬刺し、レバ刺しとユッケで食べれます。
反芻動物(牛・羊・鹿などの複数の胃を持つ動物)はO157(腸管出血性大腸菌)をはじめとする食中毒菌を保菌しているケースがあるのに対して、馬は胃が一つしかなく(種が異なる)、厚生労働省の調査でも馬肉からは食中毒菌は検出されていません。
よく、馬は体温が高い為に食中毒菌がいないという話も聞きますが、馬の平熱は37.5~38.0度ぐらいで、牛、豚、羊などは39.0度となっています。馬も走ると40.0度を超えるようですが、体温はあまり関係がないかもしれません。
ただし、馬肉には寄生虫(ザルコシスティス・フェアリーやトキソプラズマ)がついていることがありますが、食中毒菌と違って冷凍処理によって死滅させることができることから生食が可能となっています。
厚生労働省により、流通過程で馬刺しを冷凍処理するよう全国に通知されており、現在、馬刺しの流通は一度、冷凍されたもののみとなっています。
きちんとした一般流通品を食べる限りは食中毒の心配はありません。
なので、妊婦さんも過度に心配される必要はありません。

馬刺し、馬肉、おすすめ とか

馬肉は株式会社 会津畜産が卸しとして有名です。
ローストホースを作りたくて、塊肉を求めた事があります。
これを書いていたら、会津畜産の通信販売専門店がオープンしたというニュースが入りました。

福島TRIPプロデュースの会津馬刺し専門通販サイト「馬喰亭(ばくろうてい)」開店! | 福島TRIP
馬刺しといえば熊本県が有名ですが、福島県民にとっての馬刺しといえば……、そう、会津馬刺しですよね! 会津馬刺しの特長は、さっぱりやわらかな赤身と辛味噌のコンビ。会津若松市内には多くの精肉店や専門店が並び、昔から郷土食とし

会津ではトロ馬刺しとか、霜降り馬刺しは、スーパーではあまり見ません、お店の食べ比べで提供されたりする事はあります。
食彩源ちゃんでトロ馬刺しをランチに食べた事があります。


トロ馬刺しを辛味噌で食べましたが、熊本のような甘口醤油+おろしニンニク+生姜でいただくとまた違った印象になるのかもしれません。

扇や精肉店は馬がメインの精肉店です。馬刺しを買いました。

焼肉 丸忠で馬のレバ刺しをいただきました。夕飯です。

ランチに馬ラーメン、さくら(馬)ユッケを食べました。
馬力本願の辛味噌はニンニク控えめに思えました、ニンニク(トッピング)を適量加えてもいいかもしれません。

イベントに行ったら馬肉ソーセージが1本100円。これは食べるしかありません。

他の地域

調べ方がダメなのか、熊本、会津以外の他の地域でどうやって食べられているのかよくわかりませんでした。
青森県では、専用のタレというか、万能タレでよく食べられているように感じましたが、イマイチ確信にはいたりませんでした。

食品成分

馬肉の特徴として、低カロリー(エネルギー)、低脂肪、低コレステロール、低飽和脂肪酸、高タンパク質。
カルシウム、鉄類も豊富で、ビタミンの含有率も高い。
グリコーゲンの含有率も高い。
食品成分からは、健康食としては願ったり叶ったり、アスリートにも年寄りにも女性にもお勧めの食材になります。
「アスリート、年寄り、女性」と言ったのは、少ない量で効果が期待できるという意味になります。
アスリートは摂取量が多くなるので効率的に摂取しないとオーバーカロリーになったり、カロリー不足になったりと摂取バランスは重要です、子供が選手時代はご飯(2合)と鶏肉などで賄ってましたが、それでも減量には苦しみました。脂質が低く、グリコーゲンが高く、タンパク質、ビタミン類の豊富な馬肉はまさしく理想の食材ですが、お値段が高いのが痛いところです。
年寄り、女性は、まず量が食べれない事もあるかと思います。少ない量でキチンと栄養素が得られるのが理想です。
鉄分が多いからといって、ほうれん草を摂り続ける事はできません。
少ない量で、栄養素が沢山摂れるものは理想で、馬肉は良い食材だと思います。

馬*1牛*2豚*3豚*4鶏*5
エネルギー
(kcal)
110193128143138
タンパク質*117.317.918.017.918.5
脂質2.510.73.65.34.8
カルシウム114449
4.32.80.90.92.1

馬*1:肉 赤肉 生
牛*2:[和牛肉]、もも、赤肉、生 
豚*3:[大型種肉] もも 赤肉 生
豚*4:[中型種肉] もも 赤肉 生
鶏*5:[成鶏肉] もも 皮なし 生

資料

令和2年5月 馬をめぐる情勢 農林水産省 生産局畜産部畜産振興課
Ⅴ 馬 農林水産省 平成18年4月資料?
令和2年の前の資料には地域別の生産量が載っているようなのですが、リンク切れで元の資料に辿り着けませんでした。
文部科学省 第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)11 肉類  (PDF:276KB) PDF

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